京都のフリースクールの選び方と支援制度 利用料の補助・出席扱い・相談先

京都のフリースクールの選び方と支援制度

子どもが学校に行けなくなったとき、家以外の居場所として多くの保護者が調べるのがフリースクールです。ただ、費用はどれくらいかかるのか、補助はあるのか、学校の出席として認められるのかなど、通う前に知っておきたいことは少なくありません。

この記事では、京都府でフリースクールを探している保護者の方に向けて、府と京都市の支援制度、府認定フリースクール、京都市が公開しているフリースクールの情報、学びの多様化学校の洛風中学校・洛友中学校などの公的な居場所、相談先をまとめます。

この記事の要点

  • 京都府と京都市には、フリースクールの利用料を家庭に補助する制度はありません。府内では亀岡市が、出席扱いになるフリースクールの利用に月1万円を補助しています。
  • 京都府は「府認定フリースクール」を認定し、学校と連携した活動に助成しています。
  • 京都市は、市立学校で出席扱いになった実績があるなど7つの要件を満たす38団体の情報を公開しています。
  • 京都市には、学びの多様化学校の洛風中学校(2004年開校)と洛友中学校(2007年開校)があります。

この記事の情報について:京都府と府内の市町村の制度は、2026年11月2日に京都府・京都府教育委員会・京都市・亀岡市の公式ページと資料で確認しました。全国の数字と出席扱いの考え方は文部科学省の資料によります。制度は年度ごとに変わることがあるため、利用する前に窓口で確かめてください。

目次

不登校とフリースクールの状況

文部科学省の調査によると、全国の小・中学校で不登校の児童生徒は令和6年度に353,970人で、1,000人あたり38.6人でした。このうち、学校の内外の機関で相談や指導を受けていない子は135,724人で、不登校の子の38.3%にあたります。民間団体・民間施設で相談や指導を受けた子は18,566人でした。

京都府と京都市は、教育支援センターや学びの多様化学校、校内の居場所づくりなど、公的な受け皿を広げています。そのうえでフリースクールとの連携も進めていて、京都市は市立学校で出席扱いの実績がある団体の情報を公開しています。

出典:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要(不登校抜粋版)」(2026年11月2日確認)

フリースクールと教育支援センターの違い

学校に行けないときの居場所は、大きく分けて、民間が運営するフリースクールと、市町村の教育委員会が設置する教育支援センター(適応指導教室)の2つがあります。京都府でも、どちらを選ぶかで費用や過ごし方が変わります。

フリースクール 教育支援センター(適応指導教室)
運営 NPO法人・一般社団法人・株式会社・個人など 市町村の教育委員会
費用 施設ごとに決まる。月謝・入会金がかかることが多い 原則として無料
過ごし方 自由に過ごす、体験活動、個別の学習など施設ごとに違う 学習の支援と相談が中心
対象 小学生から高校生まで。施設ごとに決まる 主にその市町村の公立小・中学校に在籍する子
出席扱い 在籍校の校長が、教育委員会と連携して判断する 在籍校の校長が判断する。出席扱いを判断するときの施設は、公的機関が原則とされている

文部科学省の通知では、出席扱いの判断をするときの施設は、教育支援センターなどの公的機関が原則とされています。公的機関に通うのが難しい場合や、本人と保護者が希望する場合には、民間の施設も考えられるとしています。

出典:文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」別記1(2026年11月2日確認)

フリースクールの費用の目安

フリースクールの費用は施設ごとに決まっていて、月謝のほかに入会金や教材費、活動費がかかることがあります。文部科学省が全国の民間の団体・施設に行った調査(平成27年3月時点)では、会費を集めている施設の月額の平均は約3万3千円、入会金の平均は約5万3千円でした。

調査から年数がたっているため、今の金額は施設の案内で確かめてください。週に何日通うか、何時間いるかで料金が変わる施設もあります。

出典:文部科学省「小・中学校に通っていない義務教育段階の子供が通う民間の団体・施設に関する調査」(2026年11月2日確認)

京都府のフリースクールの費用の補助

京都府と京都市には、フリースクールに通う子の家庭に利用料を補助する制度はありません。京都市は令和7年11月に、助成金は「現在のところ実施の予定はございません」と回答しています。

府内では、亀岡市が「まなびの機会サポート事業補助金」で、フリースクールに通う子1人あたり月1万円(保護者の実際の負担が1万円未満ならその額)を補助しています。条件は、在籍校の校長が教育委員会と連携して出席扱いにすると決めたフリースクールに通っていること、教育委員会と校長がフリースクールと情報を共有することに同意していることなどです。申請は、補助を受ける最初の月の末日までに亀岡市教育委員会学校教育課に出します。

府の「フリースクール連携推進事業」は、府認定フリースクールが学校と連携して行う活動に助成するもので、家庭への補助ではありません。

出典:京都市「不登校への助成金について」、亀岡市「まなびの機会サポート事業補助金」、京都府「令和8年度当初予算 主要事項説明資料(教育委員会)」(2026年11月2日確認)

フリースクールに通う日は出席扱いになるか

フリースクールに通った日を、在籍している小・中学校の出席として扱うかどうかは、在籍校の校長が判断します。文部科学省の通知では、次のような要件を満たし、社会的な自立をめざす取り組みと評価できる場合に、出席扱いにできるとしています。

  • 保護者と学校とのあいだに、十分な連携・協力関係があること
  • 民間の施設の場合は、その子にとって適切かどうかを、校長が教育委員会と連携して判断すること
  • 施設に通う、または入所して相談・指導を受けていること

全国では令和6年度に、学校外の機関で指導を受けて出席扱いになった小・中学生が42,978人いました。出席扱いにしてもらうには、通い始める前に在籍校の担任や校長に相談し、施設での様子を学校と共有する方法を決めておくと進めやすくなります。

出典:文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」、文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要(不登校抜粋版)」(2026年11月2日確認)

京都府と京都市の出席扱いの考え方

京都府教育委員会のハンドブックでは、学校がフリースクールと連絡を取って学習のようすを確かめ、在籍校の校長が認めた場合に出席扱いになると説明しています。出席扱いになると、通学定期乗車券の制度も使えます。

京都市は、出席扱いについての要綱を定めています。判断するのは校長で、民間施設の場合は、保護者と在籍校の十分な連携があること、文部科学省の民間施設のガイドラインなどを踏まえて適切と認められることなどが要件です。校長は施設の職員と定期的に連絡を取り、ようすを把握するとしています。

出典:京都府教育委員会「京都府版 社会的自立に向けた不登校児童生徒支援について」、京都市「不登校児童生徒の指導要録上の出席扱いについて」(2026年11月2日確認)

京都府の公的な居場所と相談先

教育支援センター(適応指導教室)

京都市の教育支援センター「ふれあいの杜」は、学習室6か所とサテライト学習室2か所があります。対象は京都市立の小学4年生から中学3年生で、在籍校を通して不登校相談支援センターに相談を申し込み、面接や体験をへて入級します。

京都市以外では、市町が教育支援センターを設けています。府は市町の教育支援センターを不登校支援の中心の拠点と位置づけ、整備を進めています。通所日は出席扱いになり、籍は学校に置いたまま通えます。

出典:京都市「ふれあいの杜」、京都府教育委員会「京都府版 社会的自立に向けた不登校児童生徒支援について」、京都府「令和8年度当初予算 主要事項説明資料(教育委員会)」(2026年11月2日確認)

学びの多様化学校(不登校特例校)

学びの多様化学校は、不登校の子に合わせて授業時間や教育課程を工夫できる学校です。京都市には次の2校があります。

学校 概要
京都市立洛風中学校 2004年開校。年間の授業時数を一般の中学校より少ない770時数にし、体験活動などの独自の授業を行う。在籍校を通して不登校相談支援センターに相談を申し込む
京都市立洛友中学校 2007年開校。昼間部(学びの多様化学校)と夜間部が交流しながら学ぶ

出典:京都市「洛風中学校」、京都市「洛友中学校」(2026年11月2日確認)

自宅から参加できる「オンラインの居場所」

京都市は、京都市立の小学4年生から中学3年生で、長く学校を休んでいる子(30日以上が目安)を対象に、メタバースを使った「オンラインの居場所」を開いています。ホームルームやテーマごとのオンライン授業があり、在籍校を通して参加を申し込みます。京都市は、不登校の子の保護者の会「With One」も開いています。

出典:京都市「オンラインの居場所」、京都市「保護者の会 With One」(2026年11月2日確認)

相談窓口

  • 京都府「ほっこりんく〜京都府24時間教育相談窓口〜」:075-612-3268、075-612-3301(京都市以外の府内の学校と府立学校の子・保護者が対象、24時間)
  • 京都市 不登校相談支援センター:075-254-8125
  • 京都市教育相談総合センター(こどもパトナ)日曜不登校相談:075-254-8107(日曜10時〜17時。第4日曜・祝日などを除く)
  • 京都市教育委員会 生徒指導課:075-213-5622(平日)

出典:京都府「ご相談ください」、京都市「不登校相談支援センター」(2026年11月2日確認)

フリースクールの一覧を探すとき

京都市は、フリースクール等の民間団体の情報を公開しています。掲載されているのは、京都市立学校で出席扱いになった実績がある、費用や活動内容を保護者に伝えている、学校と連携しているなど、7つの要件を誓約した38団体です(令和8年4月時点)。京都市内のほか、府内のほかの市や滋賀県、オンラインの団体も含まれます。掲載は市の認定や推薦ではないため、見学して確かめてください。

京都府は、学校と連携して教育活動を行うフリースクールを「府認定フリースクール」として認定しています。令和元年時点では、京都市・亀岡市・舞鶴市・木津川市の6施設が認定されていました。

京都市は、フリースクールと協力した事業も行っています。フリースクールのスタッフが家庭を訪問する「ふれあい・アテンダント」や、自然体験やスポーツができる「ぷらねっとクラブ」などがあります。

出典:京都市「フリースクール等民間団体の情報提供」、京都府教育委員会「府認定フリースクール」、京都市「フリースクール等との連携事業」(2026年11月2日確認)

フリースクールを選ぶときに確かめること

フリースクールは、施設ごとに考え方も過ごし方も大きく違います。見学や体験のときに、次の点を確かめておくと比べやすくなります。

見学・体験で確かめること

  • 子どもが自由に過ごす時間が中心か、学習の時間が決まっているか
  • 通える曜日と時間、週に何日から通えるか
  • 月謝・入会金・教材費・活動費と、補助の対象になるか
  • 在籍校との連絡のしかたと、出席扱いの相談に応じてもらえるか
  • スタッフの人数と、相談できる専門職(心理職など)がいるか
  • 家からの距離と通い方、送り迎えが必要か
  • 高校進学など、その先の進路の相談ができるか

いちばん大切なのは、子ども本人が「ここなら行ってみたい」と思えるかどうかです。最初から1つに決めず、いくつかの施設を見学してから選ぶと、子どもに合う場所を見つけやすくなります。

中学校を卒業したあとの進路

中学生の場合は、その先の高校進学もあわせて考えておくと安心です。自分のペースで学べる通信制高校を選ぶ人もいます。

全国の地域別の通信制高校の一覧は「通信制高校の一覧を地域から探す」で、大阪のキャンパスと学費の目安は「大阪市の通信制高校一覧」でまとめています。

よくある質問

京都府でフリースクールの利用料の補助はありますか?
京都府と京都市には、家庭への利用料の補助はありません。府内では亀岡市が、出席扱いになるフリースクールの利用に月1万円を補助しています。
府認定フリースクールとは何ですか?
京都府教育委員会が、学校と連携して教育活動を行うと認めたフリースクールです。府は、府認定フリースクールが学校と連携して行う活動に助成しています。
フリースクールに通った日は出席になりますか?
在籍校の校長が判断します。京都市は要綱で、保護者と学校の連携などの要件を定めています。まず担任や校長に相談してください。
フリースクールの費用はどのくらいですか?
施設ごとに違います。文部科学省の調査(平成27年)では、月額の会費の平均は約3万3千円、入会金の平均は約5万3千円でした。
どこに相談すればよいですか?
京都市内なら不登校相談支援センター(075-254-8125)、京都市以外なら府の24時間教育相談窓口「ほっこりんく」(075-612-3268)に相談できます。

中学生で、高校受験のときの欠席や内申の扱いが気になる場合は、「不登校でも高校受験はできる?」で、47都道府県の公立高校入試の配慮の制度を比べています。

まとめ

京都府と京都市には、フリースクールの利用料を家庭に補助する制度はなく、府内では亀岡市が補助しています。一方で、府は府認定フリースクールへの助成、京都市は出席扱いの実績がある38団体の情報公開や、洛風中学校・洛友中学校、オンラインの居場所など、公的な支援とフリースクールとの連携を進めています。

フリースクールを検討するときは、京都市の情報などで候補を探して見学し、通い始める前に在籍校へ相談して、出席扱いの手続きを進めておくと安心です。

この記事の制度・数字は、2026年11月2日に京都府・京都府教育委員会・京都市・亀岡市・文部科学省の公式ページと資料で確認したものです。

この記事を書いた人

Weblioエデュ編集部は、塾選び・受験・学校選びなど、学びにかかわる選択のための情報を調べて整理する編集チームです。入試の制度や倍率は教育委員会などの公的な資料で、塾や学校の情報は各事業者の公式サイトで1件ずつ確認して記事を作成しています。編集部には、塾に通わず独学で偏差値を20あげて第一志望の大学に合格をしたメンバー、個別指導塾で教えたメンバー、親として子どもの塾選びと中学受験を経験したメンバーが在籍しています。運営はGRASグループ株式会社です。

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